2026.11.04 [イベントレポート]
東京グランプリは『妹兄とマンホールの蓋』 成田凌が最優秀男優賞を受賞

第39回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが11月4日、東京・有楽町のヒューリックホール東京で行われ、東京グランプリ/東京都知事賞に『妹兄とマンホールの蓋』が輝いた。

北マケドニアの首都スコピエの周縁部。ヴィクトルとマリナの兄妹は貧しい環境の中で暮らし、銅製の胸像やマンホールの蓋を盗んでスクラップとして売り、生計を立てている。ある日、彼らが盗んだ国家的英雄の胸像がヴィクトルの足に落下し、ヴィクトルは大けがを負う。その事故をきっかけにマリナとヴィクトルはスコピエの社会の底辺をさまようことになる。

壇上には、出演者のサラ・クリモスカとフィリップ・トライコビッチ、プロデューサーのヤネ・チョルトシェフが登壇。代表し、挨拶に立ったチョルトシェフは「この美しい賞を、故郷に持ち帰ることができ、とても嬉しい。無事に完成するか分からない日々だったが、いまはこうして素晴らしい旅路を締めくくることができる」と感無量の面持ちだった。

また、映画祭初日のレッドカーペットで、マンホールを高く掲げて注目を集めたミルチョ・マンチェフスキ監督は、授賞式を欠席したが、「風変りな映画へのささやかな名誉回復です」と喜びのビデオメッセージを寄せた。

コンペティション部門には日本から『過怠』(山本英監督)、『妖怪、化物をひろう』(池田暁監督)、『男ともだち』(三島有紀子監督)の3本が選出されたが、『男ともだち』に出演する俳優の成田凌が最優秀男優賞に輝いた。

欠席した成田に代わり、三島監督がトロフィーを受け取り「この光景を、成田凌さんに見せたいですね。成田凌さん、おめでとうございます。作品に関わった全員が、心から誇りに思っています」と祝福。「沈黙と身体性の中に、感情が宿る俳優さん。私たちを信頼し、戦友になって作品を豊かにしてくれた」と感謝を伝えていた。

今年のコンペティション部門は2026年1月以降に完成した長編映画を対象に、112の国と地域から1892本の応募があった。審査委員長を務めるロルフ・デ・ヒーア監督をはじめ、アレックス・ロー(プロデューサー)、オ・ジョンワン(プロデューサー)、渡辺真起子(俳優)、ヨブ・ムーア(カラリスト)が審査員として、コンペティション部門の全15作品を審査した。

「第39回東京国際映画祭」全受賞結果は以下の通り。

<コンペティション部門>
▼東京グランプリ/東京都知事賞
『妹兄とマンホールの蓋』(監督:ミルチョ・マンチェフスキ)

▼審査員特別賞
『魔法の星図』(監督:スン・シュン)

▼最優秀監督賞
リサンドロ・アロンソ(『ふたつの自由』)

▼最優秀女優賞
フー・リン(『ふたりを結ぶ夜』)

▼最優秀男優賞
成田凌(『男ともだち』)

▼最優秀芸術貢献賞
『今日が終わるまで』(監督:イェレナ・マクシモビッチ)

▼観客賞
『ヘイゼル85』(監督:テオドラ・アナ・ミハイ)

<アジアの未来部門>
▼作品賞
『シェリフェ』(監督:タレク・ダウド)

<Nippon Cinema Now部門>
▼作品賞
『シルバー・エクスプレス』(監督:田中未来)

▼審査委員特別賞
『いえないふたり』(監督:まつむらしんご)

<アジア学生映画コンファレンス>
▼作品賞
『太陽の下を駆け抜けて』(監督:グエン・ブー・ヒエン・チー)

▼審査委員特別賞
『すべて順調』(監督:ナー・イーチェン)
『彼女のすべて』(監督:キム・ナムヒョン)
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