2026.11.02 [イベントレポート]
山﨑努89歳、俳優業は「やめる気ない」と現役宣言!初のドキュメンタリーが公式上映

第39回東京国際映画祭が開催中の東京・丸の内ピカデリーで11月2日、『山﨑リバーサイド -俳優の肩ごしに-』が公式上映された。名優・山﨑努が老いと向き合い、がん闘病の中でも「俳優とは何か?」を追求する姿を捉えた初のドキュメンタリーで、「Nippon Cinema Now」特別上映作品。山﨑と犬童一心監督が上映後の舞台挨拶に登壇した。

本人のロングインタビューに加え、山﨑から影響を受けた渡辺謙、柄本明、香川照之、鶴見辰吾、そして山田洋次監督や、誘拐犯役の山﨑が一躍脚光を浴びた『天国と地獄』をはじめ、黒澤明作品を支えた野上照代らにインタビューを敢行。そこにはひとりの日本人の戦後史が見えてくる。

●初のドキュメンタリーは「お別れのメッセージになればいいなと」

観客の大きな拍手に迎えられ、登壇した山﨑は「無心で、カメラの前にいること。それを目的にしました。病気で死にかけた直後だったんで、お別れのメッセージになればいいなと。そんな気持ちが心の隅にありました」と本作について語り、犬童監督をはじめとする関係者、そして来場者に感謝を伝えた。

現在89歳。1956年に俳優座養成所に入所し、今年で俳優人生70周年を迎えたが、「いや~、70年って実感ないし、やめる気もないし」と現役宣言。「何周年とか、まったく意識になかったですね。毎日毎日新鮮で楽しくて不安で、夢中になっているうちに……。70年なんてとんでもない。7年くらいのつもりでいる」と笑いを誘った。

●“名言”初出しに、犬童監督は苦笑い「映画の中で言ってほしかった」

山﨑は「もともと恥ずかしがり屋で、コンプレックスの塊」だと明かし、「内向的な人は、壁が厚いわけで、カメラや人前で何かするのは力が要る。でも、それを突き抜けたときのエネルギーは力強く、勢いがあると思う。内向的な人のほうが、俳優や表現者に向いている」と自身の哲学を披露した。

また、俳優としての“覚悟”に話題が及ぶと「それは僕にとっても大問題」だとし、「死ぬほど恥ずかしいが、俳優をやる上で、胸をさらけ出す覚悟が要ると思う。見る価値がある恥をかかないといけない」と語った。

すると、隣で聞き入る犬童監督は「見る価値がある恥。これはかつてない名言だと思います。できれば、映画の中で言ってほしかった」と“名言”初出しに、思わず苦笑いを見せていた。

●“門下生”渡辺謙「山さんの俳優人生が、宝石のようにちりばめられた作品」

この日は映画にも登場する俳優の渡辺謙が登壇し、山﨑に花束のプレゼント。本作の製作については、事前に聞かされていたといい「役に対して深掘りするタイプの山さんだから、個人をさらけ出すのは体力も根気も要る。病み上がりだったし、年齢のこともあって、僕は心配で「大丈夫?」と聞いた」と振り返った。

続けて「恐らく覚悟をもって、身をさらけ出すんだと。そのときから思っていたんですよね」と最敬礼。自身を“山さんの門下生”と称し、本作について「山さんがどう生きてきたのか。俳優人生が、宝石のようにちりばめられた作品」と激賞すると、山﨑は「犬童さんがシチュエーションを作ってくれるのが実に良かった。やりやすかった」と話していた。

第39回東京国際映画祭は11月4日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。
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