第39回東京国際映画祭の「Nippon Cinema Now」部門に出品された『
いえないふたり』が10月28日に角川シネマ有楽町で公式上映され、主演を務めた川島鈴遥と倉沢杏菜、監督・脚本を手掛けたまつむらしんご監督がQ&Aに登壇した。
児童劇団で出会った真琴(川島)と香純(倉沢)は、家族合同キャンプで起きた事件をきっかけに疎遠になる。6年後、高校の演劇部で再会した2人は、互いに言葉にできない思いを抱えたまま、再び同じ舞台に立つことで、壊れてしまった関係と家族を再生させていく。
本作は、まつむら監督が、長い間温めていたというオリジナル脚本の映画化で、コロナ期間中に高校演劇を観る機会を経て、そこから具体的に物語を紡いでいった。まつむら監督によると「脚本の初稿は1カ月くらい。そこから3年かけて直していきました」という。
主人公の2人を演じたのは、『ある船頭の話』で第34回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞した川島と、大河ドラマ「豊臣兄弟!」などに出演中の倉沢。真琴の両親を菊池亜希子と斉藤陽一郎、香純の両親を臼田あさ美と三浦貴大がそれぞれ演じる。
役作りについて問われた川島は「3年前の企画段階からお聞きしていて、何稿か見せてもらい、そこから真琴像が少し構築されていきました。また、現場に入る前に、監督や倉沢さんと重要なシーンをピックアップしてリハーサルをしました。そこでどんなことを思っているかの軸を決めていき、それを現場で出せたかなと思います」と明かす。
倉沢は「劇中劇をやるというのが大きな課題でした。実際に学生演劇を何本か見たり、ドキュメンタリーを見たりと、足を運んだことが最後のシーンに活かされました。学生演劇のすごさは、会場に行かないとわからなかったです。そこからリハをしましたが、そういう時間がとてもありがたかったです」と感謝する。
また、演じた香純役について「悲しむ権利があまりない。罪悪感や、悲しむ資格がないってところが演じる上で難しかったので、まつむらさん、臼田さん、三浦さんと話しながら作っていきました」と述懐した。
劇中で、現実と劇中劇がクロスオーバーしていくという構造の本作。その演技の差別化について川島は「そこはよくわからないのですが、嘘がないように、説得力をもってお芝居をすることが必要だとずっと思っていました。だから、劇中劇じゃないところは真実味をもって、ちゃんと生きていることを大事にしていた気がします。劇中劇で、それがより溢れ出てしまう瞬間が垣間見られたらいいなとも思いました」と語る。
倉沢は真琴と香純の関係性について「日常生活では、本音や自分の感情を表すことはなかったけど、劇中劇では台本があるから、そこは大事にしていきました。どこまでも溢れる感情を抱えている人たちですが、それをずっと抑えて抑えて…、抑えられなくなる瞬間はどこだろうと、意図的に作っていきました」と丁寧にアプローチしていった。
まつむら監督も「最後の劇中劇は、撮影の最終盤に撮りましたが、ずっと閉じられていた扉が、演劇というフィクションの鍵で開けられるというつくり。だから自然と、2人が舞台に上がった瞬間に泣き始めているので、やばいやばい!すぐ(カメラを)回そうとなって(苦笑)。抑えるほうが大変でした。考えて演技をするという段階ではなく、ちゃんとそこまでのプロセスを押さえていました」と2人の演技に太鼓判を押した。
さらに、川島と倉沢について「おふたりにして良かったと毎日思いながら撮影していました。準備段階から、すごく丁寧にキャラクターを掘り下げてくれた。僕は演技に関して何も言わなくてもいいくらいノーストレスで撮れたので感謝しています」と心から称えた。
第39回東京国際映画祭は11月4日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。最終日には、コンペティション部門をはじめ、各賞の受賞結果が発表される。
第39回東京国際映画祭の「Nippon Cinema Now」部門に出品された『
いえないふたり』が10月28日に角川シネマ有楽町で公式上映され、主演を務めた川島鈴遥と倉沢杏菜、監督・脚本を手掛けたまつむらしんご監督がQ&Aに登壇した。
児童劇団で出会った真琴(川島)と香純(倉沢)は、家族合同キャンプで起きた事件をきっかけに疎遠になる。6年後、高校の演劇部で再会した2人は、互いに言葉にできない思いを抱えたまま、再び同じ舞台に立つことで、壊れてしまった関係と家族を再生させていく。
本作は、まつむら監督が、長い間温めていたというオリジナル脚本の映画化で、コロナ期間中に高校演劇を観る機会を経て、そこから具体的に物語を紡いでいった。まつむら監督によると「脚本の初稿は1カ月くらい。そこから3年かけて直していきました」という。
主人公の2人を演じたのは、『ある船頭の話』で第34回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞した川島と、大河ドラマ「豊臣兄弟!」などに出演中の倉沢。真琴の両親を菊池亜希子と斉藤陽一郎、香純の両親を臼田あさ美と三浦貴大がそれぞれ演じる。
役作りについて問われた川島は「3年前の企画段階からお聞きしていて、何稿か見せてもらい、そこから真琴像が少し構築されていきました。また、現場に入る前に、監督や倉沢さんと重要なシーンをピックアップしてリハーサルをしました。そこでどんなことを思っているかの軸を決めていき、それを現場で出せたかなと思います」と明かす。
倉沢は「劇中劇をやるというのが大きな課題でした。実際に学生演劇を何本か見たり、ドキュメンタリーを見たりと、足を運んだことが最後のシーンに活かされました。学生演劇のすごさは、会場に行かないとわからなかったです。そこからリハをしましたが、そういう時間がとてもありがたかったです」と感謝する。
また、演じた香純役について「悲しむ権利があまりない。罪悪感や、悲しむ資格がないってところが演じる上で難しかったので、まつむらさん、臼田さん、三浦さんと話しながら作っていきました」と述懐した。
劇中で、現実と劇中劇がクロスオーバーしていくという構造の本作。その演技の差別化について川島は「そこはよくわからないのですが、嘘がないように、説得力をもってお芝居をすることが必要だとずっと思っていました。だから、劇中劇じゃないところは真実味をもって、ちゃんと生きていることを大事にしていた気がします。劇中劇で、それがより溢れ出てしまう瞬間が垣間見られたらいいなとも思いました」と語る。
倉沢は真琴と香純の関係性について「日常生活では、本音や自分の感情を表すことはなかったけど、劇中劇では台本があるから、そこは大事にしていきました。どこまでも溢れる感情を抱えている人たちですが、それをずっと抑えて抑えて…、抑えられなくなる瞬間はどこだろうと、意図的に作っていきました」と丁寧にアプローチしていった。
まつむら監督も「最後の劇中劇は、撮影の最終盤に撮りましたが、ずっと閉じられていた扉が、演劇というフィクションの鍵で開けられるというつくり。だから自然と、2人が舞台に上がった瞬間に泣き始めているので、やばいやばい!すぐ(カメラを)回そうとなって(苦笑)。抑えるほうが大変でした。考えて演技をするという段階ではなく、ちゃんとそこまでのプロセスを押さえていました」と2人の演技に太鼓判を押した。
さらに、川島と倉沢について「おふたりにして良かったと毎日思いながら撮影していました。準備段階から、すごく丁寧にキャラクターを掘り下げてくれた。僕は演技に関して何も言わなくてもいいくらいノーストレスで撮れたので感謝しています」と心から称えた。
第39回東京国際映画祭は11月4日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。最終日には、コンペティション部門をはじめ、各賞の受賞結果が発表される。