2026.10.27 [イベントレポート]
インドネシア映画『夜明け前の赤』監督、キャストが涙! 反戦への思いを語る

第39回東京国際映画祭でコンペティション部門出品作『夜明け前の赤』が10月27日、ヒューリックホール東京で公式上映され、監督・脚本のガリン・ヌグロホ、俳優・プロデューサーのニコラス・サプットゥラ、俳優のナグラ・パクサデウォがQ&Aに臨み、作品への思いを語った。

本作は、インドネシアを代表するヌグロホ監督の最新作。1946年、オランダからの独立を宣言してから数カ月のインドネシアを舞台に、スマトラ島を横断して臨時首都となったジョグジャカルタに重要な測量資料を運ぶ命を受けた地質学者フランスの困難を描く。

ヌグロホ監督は「この映画にはいまの現状を描いています。正義の名のもとに天然資源を奪い、戦争や悲劇が行われているんです」と語ると、言葉に詰まって涙を流す。その後、インドネシア語で「世界中で行われている戦争、パレスチナの問題。即停止しなければいけない。強引に資源を奪ったり、人を殺めてしまうのはいけないことなんです」と再度訴える。

プロデューサーであり主演を務めるサプットゥラは「2~3年前にガリン監督と、インドネシアの政治などを扱ったミュージカル映画でご一緒しました。そのとき、これまでさまざまな歴史は描かれていましたが、インドネシアが独立宣言した1946年~49年くらいのことはヒロイズムとしては描かれていても、市民がどんな思いでいたかは表現されていなかった。そこで、監督にこの時代の映画を作りませんかと提案したんです」と企画の経緯を語る。

ヌグロホ監督は「ニコラスから話を聞いて、ぜひ映画にしたいと思った」と述べると「これまで子どもたちに伝わっていない歴史を描きオープンにすることで、反省することもある。見えてくるものもある」と意義の大きなことだということを強調すると「この映画の撮影は15日間しかなかった。俳優さんスタッフさんには大変な思いをさせてしまった」と謝罪と感謝を述べていた。

俳優として参加したパクサデウォは、冒頭で感極まって涙を見せると「こうしてイベントが開催できました。すべての人々に感謝します」と挨拶。撮影は「非常に大変だった」と振り返りつつ「しっかりと演じ切れたのは皆さんのおかげです」とスタッフやキャストへの感謝を再度述べていた。
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