2026.10.01 [更新/お知らせ]
第39回東京国際映画祭 ラインナップ発表記者会見

「コンペティション」部門他 上映作品を発表!
フェスティバル・ナビゲーター 中島健人

コンペティション部門池田暁監督、三島有紀子監督、山本英監督登壇

ラインナップ発表記者会見
©2026 TIFF

 
いよいよ今月26日(月)より開催となる第39回東京国際映画祭ですが、本日10月1日(木)にスパイラルホールにてラインナップ発表記者会見が開催。ゲストに、フェスティバル・ナビゲーターとして中島健人と「コンペティション」部門作品より、池田 暁監督(『妖怪、化物をひろう』)、三島有紀子監督(『男ともだち』)、山本 英監督(『過怠』)が登壇いたしました。
 
今年の映画祭は、10月26日(月)から11月4日(水)の10日間、昨年に引き続き日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。昨年同様にオープニングのレッドカーペットを日比谷仲通りにて開催予定。また、映画祭併設のビジネスコンテンツマーケットTIFFCOMは、10月28日(水)から30日(金)の3日間の同時期開催されます。
今年は「CONNECT―映画が繋ぐその先の世界」をテーマとして、新部門の創設など映画人や映画ファンの交流の場を様々な形で実現させていきます。
 
新たに東京国際映画祭フェスティバル・ディレクターに就任した久松猛朗による開催の挨拶で会見は始まり、映画祭として①より多様で多彩な映画の魅力を紹介、②日本の映画人たちを世界へ、③アジアの映画人たちを世界へ、④女性映画人たちを世界へ、⑤世界へ羽ばたくプラットフォームへ、という5点を意識しながら準備を進め、年に何十本もの映画を観るシネフィルから、年に1、2本しか映画を観ないライトユーザーまで、誰もが参加したいと思う映画祭を実現し、来年の第40回に弾みをつけたいと語りました。
ラインナップ発表記者会見

©2026 TIFF

 
次にフェスティバル・ナビゲーターに就任した中島健人が登壇。大の映画好きを公言し、アイドル、歌手活動以外に俳優としても活動の幅を常に広げ続けている中島は、ナビゲーターに任命されたことについて「映画を愛する一人として、そして俳優の一人として、このような素敵な機会に参加することができて、とても嬉しく思っております。すごく映画は好きなのですが『こんなギラギラなアイドルでいいのかな』」と会場を沸かせ、「僕自身アカデミー賞に参加させていただいたり、海外やハリウッドの方との交流で日本映画の尊さを改めて感じているので、今回ナビゲーターに選ばれたことはとても嬉しく思います」と意気込みを語りました。本映画祭については「東京と世界が映画を通してつながる場所だと思っています。映画は自分の人生を拡張してくれるもの」とその印象を話し、「今年も最高の作品がたくさん揃っていますので、次の豊かな作品たちが生まれる瞬間に僕も出会えることがとても楽しみです。愛の映画を探す旅に出たいなって思います」としました。
ラインナップ発表記者会見

©2026 TIFF

 
プログラミング・ディレクターの市山尚三より、「コンペティション部門」15作品の紹介があり、今年の傾向として、「歴史を振り返る映画がすごく多い。単に懐古的に振り返るのではなく、世界が分断しようとしている中で映画作家たちが過去の事象から現代の世界を読み解く、現代の世界の問題を考える作品が多い」と説明しました。その後、「コンペティション部門」に選ばれた日本映画3作品の、池田 暁監督(『妖怪、化物をひろう』)、三島有紀子監督(『男ともだち』)、山本 英監督(『過怠』)が登壇しました。
池田監督は「東京国際映画祭は、街と映画とのつながりが強い印象があります。なじみのない国の映画を知れるというのが楽しくて毎年通っていました。今回の映画自体は、実話がベースになっていて、人間の愛情の懐の深さを描きました」、三島監督は「毎年この時期は東京国際映画祭に入り浸っている感じです。過去の映画祭で上映いただいた作品がその後世界での上映につながったりもしてありがたかったです。今回の作品はパンデミックの頃に、人と寄り添うことを考えた時に撮ろうと思いました。主人公の視点を通してこの世界を改めて見つめ直したいと思いました」、山本監督は「集中的に映画を観るってあまり出来ない体験だと思うので、いろんな部門・作品を見てほしいなと思います。今回は日常の機微を切り取った作品で、主演の二人が本当に素晴らしいので是非観てほしいです」と語りました。
 
続けて「Nippon Cinema Now」部門について、市山PDより説明があり、その後、石坂健治シニア・プログラマーより「アジアの未来」部門と、今年新たに国際交流基金との共催により設置された、東南アジア映画の特集上映を行う 「CROSSCUT ASIA+(クロスカットアジア・プラス)」部門の紹介しました。「不安定な世界の中で足元を見つめ直すという作品が集まったなという印象。各地域の歴史を振り返るという色が凄く出ています」としました。そして「ガラ・セレクション」部門、「ワールドフォーカス」部門、「日本映画クラシックス」部門、「アジア学生映画コンファレンス」ほか特集について、市山PDより紹介しました。
ラインナップ発表記者会見

©2026 TIFF

 
その後、清水裕プログラマーより「ウィメンズ・エンパワーメント」部門、「ユース」部門の紹介、藤津亮太プログラミング・アドバイザーより「アニメーション」部門の紹介がされ、さらに司会より、「黒澤明賞」や「エシカル・フィルム賞」、「交流ラウンジ」、「川喜多かしこ映画文化賞」の紹介に加え、米映画芸術科学アカデミーのトップによるトークイベント「アカデミー・イン・東京」など、今年も特に盛況が見込まれる関連企画が続けて紹介されました。その後、質疑応答が行われ、会見は終了しました。
 
第39回東京国際映画祭は10月26日(月)から11月4日(水)の10日間の開催期間中、204本(昨年:184本)の映画が上映されます。
→ 上映作品一覧
 


 
【中島健人 Q&A】
Q.東京国際映画祭のイメージ
東京と世界が映画を通じて繋がる場所だと思っています。映画を好きな人たち、俳優など一人一人にフォーカスしている方々が集まって、話を弾ませて豊かな時を過ごす場所だと思います。
 
Q.ナビゲーターに選ばれた感想
映画を愛する一人として、そして俳優の一人として、このような素敵な機会に参加することができて、とても嬉しく思っております。映画は大好きですが、こんなギラギラなアイドルでいいのかなと思いました。僕自身アカデミー賞に参加させていただいたり、海外やハリウッドの方との交流で日本映画の尊さを改めて感じているので、今回ナビゲーターに選ばれたことはとても嬉しく思います
 
Q.自身にとって映画もしくは映画祭はどんな存在か
映画は自分の人生を拡張してくれるものです。1つの作品を全うする上で自分が生きられなかった時代、知らなかった青春を2時間という時間で過ごすことができます。その素晴らしい価値を感じています。インターナショナルな場でもあるので、刺激を受ける楽しみがありつつ、新たな夢が生まれる場所として監督たちと俳優さんなどが繋がっていく楽しみもあります。
 
Q.今年の映画祭のテーマ「繋ぐ」にちなんで、映画と繋がったor映画に何かを繋げられたようなことはあったか
海外の映画に日本人ひとりの環境で役に挑んだことがあるのですが、クランクインの時は凄く行き詰まっていました。でも、いい作品を作りたいというスタッフ、キャストの気持ちは繋がっています。緊張していましたが、その気持ちで繋がれたので、映画の力はとてつもないものだなと思いました。最終的には言語も気にせず、気持ちが繋がっていればいい作品ができると思いました。
 
Q.今年の映画祭に期待していること
今年も最高の作品がたくさん揃っていますので、次の豊かな作品たちが生まれる瞬間に僕も出会えることがとても楽しみです。今回、ナビゲーターとしてしっかりとこの責務を全うしていきたいと思っております。
 
 


【池田 暁監督、三島有紀子監督、山本 英監督 Q&A】
Q.コンペティションに選ばれたことについて
池田
:本作の初上映が東京国際映画祭ということを光栄に思います。
 
三島:コンペティションに選んでいただけて光栄で嬉しいですし、スタッフやキャストから「良かった!」と声をもらったので、代表としてきました。
 
山本:素晴らしいキャストとスタッフに囲まれながら作っていた作品が、東京国際映画祭にて上映させていただけることを嬉しく思います。
 
Q.東京国際映画祭の印象
池田
:普段観客としてよく観に来ていて、街と映画とのつながりが強い印象があります。映画祭では2,3本連続で観て、合間に食事に行ったり、散歩したりすることが結構あって、街と映画は切り離せないなという印象があります。
 
三島:この時期は東京国際映画祭に入り浸っています。最初は2002年にパク・チャヌク監督の『復讐者に憐れみを』を観に来たのが初めてです。自分の作品では、2016年に『少女』、2017年に『幼な子われらに生まれ』を上映していただいたことがきっかけで、世界で上映していただけたので、印象に残っています。2021年に田中絹代監督と「女性監督のパイオニア・田中絹代トーク」というイベントを行った時は女性からの反響が凄かったです。いつもこの期間は映画に出会い直す期間です。
 
山本:自分の作品を上映していただくことは初めてですが、観客としては足しげく通わせてもらっています。いろんな部門を行ったり来たりしながら観てきましたので、自分の作品の上映は初めてですが、親しみもあります。個人的なこととしては、TIFFティーンズ映画教室にスタッフとして関わってきて、子供たちが1週間をかけて一生懸命作った映画を東京国際映画祭で上映することに携わってきました。
 
Q.作品に込めた思い
池田
:タイトルからは想像しづらい部分はあると思いますが、台湾の金門島の風景が映画の一つの魅力です。本作は実話とは思えない実話ベースで、あるお婆さんが人間ではないものを拾うという話ですが、種族の違う生き物を大切に育てたという点が腑に落ちて、人間の愛情の懐の深さを描きました。
 
三島:自分の絵を描けていない絵描きの女性が主人公で、ひとりの男ともだちに再会して過ごした3つの夜で世界を見てどういう絵を描くのかという物語です。コロナ期間に映画化したいと思い、人と寄り添うことはどういうことなのか考えました。ハセオのセリフで「この世界の終りの日が来たら、何したい」とあるのですが、コロナの時にリアルにそう遠い日ではないのかもという感覚で、じゃあ主人公と共に世界をどう見ていくのか見つめたいと思い作りました。
 
山本:韓国と日本を舞台に、運命が入れ替わってしまう2人の女性の話です。ストーリーを聞くとファンタジーな感じがしますが、彼女たちの日常を描いた作品で、演技も素晴らしいので注目してください。
 
Q.最後に一言
池田
:自分の作品もそうですが、東京国際映画祭では普段観られない馴染みのない文化や映画を観られるとても魅力的な映画祭なので、楽しんでいただきたいです。
 
三島:世界中から映画を頑張って作っている人たちが集まっているので、映画人と飲みに行く楽しみを喜びたいですし、広島のシーンで松岡さんが渾身のお芝居をしているので、それを観ていただくだけでもいいのかなと思います。
 
山本:映画祭って特別なことだと思います。短期的に集中的に映画を観る、知らない人と出会う、そこで育まれるものが映画祭にはあると思うので、色んな部門の色んな作品を観ていただきたいです。
 
 


【中島健人、山本 英監督、池田 暁監督、三島有紀子監督 質疑応答】
Q.期間中にしてみたいこと

中島:去年は「ウーマン・イン・モーション」でデブラ・ゼインさんとディスカッションをしたりする機会をいただけたので、今年も映画監督のみならず、プロデューサーおよび映画人の皆さんと談義をする時間を設けられたらと思いますし、僕というフィルターを通してより多くの方が映画というものに興味を持っていただけたらと思います。
 
Q.日本映画の魅力とクリエイティブの強み
池田:今回の映画は僕とプロデューサー、カメラマン以外は台湾のスタッフでした。仕上げも台湾でしたので9割以上は台湾のスタッフと仕事をさせてもらいました。日本映画を撮っているという感覚はあまりなくて、新鮮でした。台湾のスタッフは優秀で僕も学ぶことが多かったです。これから国際共同製作が増えていくのかなと思っていて、日本のスタッフも海外のスタッフも一緒に映画を作っていくと思います。そこから学ぶことは多く、何か広がっていくものを感じます。
 
三島:コロナを経て、それぞれの監督が歴史だったり、社会に対してどう思っているのか深く見つめる時間があってできた映画が公開に向けて進んでいる印象です。非常に長い年月をかけて技術部が育ててきた、育ってきた積み重ねに非常に底力を感じて、熱意性の高いものをそれぞれの監督が打ち出していることに日本映画の魅力を感じています。
 
中島:僕自身『風の又三郎』という映画で祖父が昔役者をやっていて、その映像を観た時に、繊細でかつ一人一人の挙動が細かく描かれていて、それが日本映画の素敵な部分と強く感じています。海外の監督も日本映画の監督をとても尊敬していると数多くの対談で聞いたので、その繊細さはインターナショナルな場でも凄くリスペクトされていると感じています。
 
山本:今回の作品は、日本でも韓国でも撮っているので、日本という部分だけで括れませんが、日本映画を観ることで大切なのは、きれいな景色ではないものが必要というところです。それは普段僕たちが通っている道や橋、そういったところにそれぞれの国の生活が落ちていると思います。自分はどこにでもありそうな景色を切り取っていて、それは韓国パート、日本パートどちらもです。自分たちの生活に近い部分を切り取っていくことが強さに繋がると思います。
 
Q.初めて参加する人への映画選びのヒント
池田:毎年東京国際映画祭に観客として観に来ていますが、おすすめの観方は適当に選ぶということです。ハシゴできる時間での組み合わせとか。よく分からなくて選んでも、意外といい出会いがあります。それが映画祭らしいと思います。
 
三島:プログラムを広げて、写真で役者さんがいい顔をしていることで丸をつけていきます。物語は読まないようにしています。何を感じさせてくれるかが大事だと思っているので、直感を大切に、ハシゴできるように組んでいきます。
 
中島:僕はラブストーリーを観ます。ときめいていたいので。映画は自分の人生にない2時間を過ごせるので、学生時代の恋愛を描いているものは、自分がジュニアだったので、味わえなかった青春を味わいたくて選んだりします。最初はラブストーリーとか愛の映画を選ぶと思います。愛の映画を探す旅に出たいなって思います。
 
山本:評判も聞いてない、特に知らない監督・出演者の作品は、1本は観てほしいです。それが映画祭ならではの楽しみ方だと思います。そういった映画は、数年後に思い出すことがあります。その経験をしてほしいです。また、2本以上みると、1本観た時とは違う感覚があって、2本合わさる時に生まれる感覚もあると思うので、是非2本観てほしいです。